2018年11月5日月曜日

「森薪塾2018」第3回講習会を実施しました。



 2018年10月8日、今年3回目の森薪塾2018講習会を実施しました。
今回のテーマは「森の見学会」です。午前中は当麻町にある道有林で試験的に行われている育成天然林の施業現場を上川総合振興局南部森林室にご協力いただき見学しました。
ここでは南部森林室の濱田室長から北海道の森林と林業について、また佐々木主幹からは動画取り組んでいる試験的天然林施業について詳しく解説していただきました。



解説によると、北海道の天然広葉樹資源は過去の需要に対応した伐採によって減少し、その後、伐採抑制により徐々に資源の回復が図られてきたそうです。この回復してきた天然広葉樹資源の持続的な利用に向けて試行的に施業を実施し、施業方法などについて検証していくとのことでした。 また、トドマツ人工林の施業現場も訪れ、一般的な人工林施業の解説もしていただきました。




午後からは東旭川町にある「21世紀の森」を散策しました。天然のトドマツ林の中を歩いたり、倒木の上に自生するエゾマツの天然更新を見たり、午後から回復してきた青空の下、とても気持ちのいい散策ができました。



 森薪塾参加者の皆さんは薪ストーブとチェンソーに慣れ親しんではいても、なかなか林業について詳しく知る機会はありません。実際に自分たちが暮らしている地域の森でどんな考え方で、どんな森づくりがされているかよく理解していただけたと思います。
いろいろな森を見ることで、自分の森をこんな形にしていきたいとか、こんな森が欲しいとか、それぞれの理想の森が見えてきたかもしれません。

さて、次回の「森薪塾2018」は11月4日(日)を予定しています。テーマは「フィールド拝見とお手伝い」です。若いトドマツの人工林での間伐と搬出まで体験していただこうと思っています。今回はできるだけ多くの木を間伐し、できるだけ多くの木を搬出しようと思っていますので、より実践的な講習会になると思います。
年度途中からでも、初心者の方でも参加可能です。参加ご希望の方はメール(maki@morinet-h.org)または電話(0166―76−2006)までご連絡ください。
(中村)
このプログラムは株式会社かんぽ生命保険の協力により運営されています。

2018年10月25日木曜日

「もり薪まつり2018」開催しました!



9月22日(日)「実りの秋。森の恵みをカラダ全部で味わおう!」をテーマにもり薪まつりを開催しました。
今年は恒例のチェンソー体験、薪割り体験、森林バイオマス足湯、森のクラフト、もりカフェに加え、ツリーイング体験も実施しました。
ツリーイングとはロープを使った木登りで専用の道具を使い自力で木に登るアクティビティです。今回はTMCA(Tree Master Climbing Academy)の旭川ツリーイングクラブさんのご協力で実施できました。小学校1年生ぐらいから大人まで意外と簡単に5mほどの高さまで登ることができます。会場でも子供から大人まで大人気でした。

 チェンソー体験では今年も田村商事さんのご協力のもと最新の電動チェンソーや電動の刈払機を体験することができました。普段薪を自分で作っている方々も興味津々でエンジン音のないチェンソーを試していました。




 薪割り体験では恒例の世界の斧を使って割り比べをしました。自分の斧を持っている方も、これから購入を検討されている方も様々な斧を使ってみて自分にしっくりくるものを選んでいました。斧によって割る感覚がそれぞれ違うのが面白いですよね。





薪割りコーナーでは斧の他にエンジン式薪割り機や手動の油圧式薪割り機を体験してもらいました。エンジン式薪割り機はどんなにひねくれた木でもバリバリ割っていきます。楽なのはいいですが、やはりそれなりの価格なので個人で使うのには向かないかもしれません。手動の油圧式薪割り機は斧で割るのに苦労するような木を子供でも簡単に割ることができます。価格が安いのが魅力ですが、一つ割るのに時間がかかるのが難点です。斧でどうしても割れない木を割るのに使うといいかもしれません。




 森林バイオマス足湯は薪ストーブを使った熱交換式の足湯です。ストーブの上の鍋で沸かしたお湯の中にパイプを通し、お風呂の水を循環させて温めます。この日は少し曇り空だったためたくさんの方が足湯に入りポカポカ温まっていました。



 森のクラフトでは細かく切り出した色々な形の木のパーツをボンドで貼りつけて思い思いの作品を作ります。かわいい動物を作ったり、とにかくいっぱいパーツを貼り付ける子などお子さんに大人気でした。





 今年のもりカフェでは焚き火を使って焼き芋のほか、パニーニやダッチオーブンで作ったスープなども食べました。お昼時にはたくさんの人が集まり大盛況でした。



 今年はツリーイングのメニューを増やしたこともあり、たくさんの方に思う存分森の恵みを楽しんでいただけたと思います。お帰りの際には多くの方にアンケートにご協力いただきありがとうございました。アンケートのお礼にお渡しした、枝で作った「もりペン」も大好評でした。



 来年の開催は未定ですが、また多くの方に森の恵みを楽しんでもらえるよう準備していきたいと思います。
 お越し頂いた皆様ありがとうございました。
(中村)

「もり薪まつり2018」は株式会社かんぽ生命保険の寄付事業です。

2018年10月15日月曜日

自然感撮ワークショップ 2018.10.14

今年3回目の自然感撮ワークショップを開催しました。
とってもいいお天気の中、キトウシ森林公園をカメラ散歩♪
5月と7月のワークショップは雨の日で、瑞々しい?景色ばかりでしたが、今日は青空と紅葉!
テンションが上がらないわけがない。
しかも、講師は奥田さん。
おもしろいものが撮れそうで、ワクワク












お昼までの90分、緑と黄色と赤のカラフルな森をあるきながら撮影。
頂上まで行けるかな?と思ったけど、次々と何かを見つけては撮影している面々。
なかなか前には進みませーん(笑)














オオウバユリのタネ。何枚入ってるのか数えてみようか?













露出を変えると、違う時間に撮ったみたい。
カメラって、面白いね。











展望閣そばのヤマモミジが真っ赤でキレイ。
青空とモミジ、青と赤・・・・何枚か撮ってみたけど、難しい。
眼に見えるとおりに撮影できたらいいんだけど。
「葉っぱだけじゃなくて、幹をいれたらいい写真になるよ」と奥田さん。











ホント! ちょっといい感じの紅葉写真が撮れました。こういうアドバイスがもらえるなんて、贅沢ですよね~(笑)











午後は室内でトリミング講座。











黒い画用紙でトリミング定規を作ってみました。
みんなの写真は2Lに印刷して、さらに、フォトフレームもついてくる!
「せっかく写真撮ったのに、飾らないのはもったいない」
奥田さんのつぶやきから、今回は、写真+定規+フォトフレーム=おうちに写真を飾ろう!
こういう仕掛けがうまれました。

参加者のみなさんの写真はgoogleフォトにUPしました。
素敵な写真がたくさんあります。見てください!

https://photos.google.com/u/1/share/AF1QipNR9fZvxzOcE9hbuEDY9wtfwD44rG8n8hUXDuLsZbuJveez1WAaO9EfDLROlcUNmA?key=X2cxSVlIakVseHRZNGN6di1MRXg3Q2g1VmNaTmt3

カメラで撮ることから、いつもと違う自然を感じてもらえたらと思って始めた「自然感撮ワークショップ」でしたが、自然って面白いかも? 写真っていいねー という人が増えたかな?と思います。
私自身もワークショップを運営しながら、定期的に写真を撮ることもなく、季節の移り変わりを感じたり、よーく見ることで、おもしろいものを発見したり・・・・そうそう、ちょっとだけ撮影技術もUPしたかも??(笑)

「自然」と「人」を「カメラ」でつなぐ・・・・
自然を知る、カメラで撮るのが面白くなる。
そこから色んなことが生まれるような気がします。

ふるさと基金(キヤノンマーケティングジャパン・パブリックリソース財団)
自然写真家 奥田 實さん
そして、ご参加いただいた皆様。

皆様のおかげでこんな素敵なお仕事ができました。
ありがとうございます。

2018年9月27日木曜日

森薪塾2018 第2回講習会を開催しました。





2018年9月2日、今年2回目となる森薪塾2018講習会を実施しました。今回のテーマは「森を読む」と「人工林の間伐実務」です。会場は旭川市東鷹栖のポンヌプリでした。

 まずは路網を造成し、混交林化を図っているトドマツ人工林の見学。58年生のトドマツ人工林で、「もりねっと」が四万十式作業道を造成し、間伐を行った森です。この作業道は、植物が生える表土は路肩に積み、路盤は地中の無機質土を深く掘り返し、しっかり踏み固めて形成します。造成から5年経っても路面は平坦で、雑草も少なく、歩きやすい「森の道」です。路幅は最小限で、支障木として伐る木も少なくなっています。
斜面に平行に走る道と道の間隔はおよそ50mで、高さ20mの木をうまく倒すと作業道から引き出しやすい位置に来るようになっています。
この森は皆伐をして植え直す人工林のサイクルから解放し、多めの間伐によって広葉樹を増やして、将来は永続的な針葉樹と広葉樹の混交林に変えていくことを目指しています。間伐によって残されたトドマツが太くなっていますが、同時に林床に太陽光が入ることでイタヤカエデやハリギリ、ミズナラなどさまざまな広葉樹の幼木・若木が茂り始めた様子を見ることができました。
「伐ることで森を育てる」…間伐で森が動き出す様子を実感しました。次に広葉樹が中心の天然林エリアを見学し、続いていよいよ間伐トレーニングを行う若いトドマツ人工林に移動しました。





   33年生で間伐があまり行われていないトドマツ林は、先ほどの間伐されたエリアと比べ細くひょろ長い木が密集し、林内は薄暗く、林床にはほとんど何も生えていません。
 間伐の基本プログラムはいつもと同じです。森の将来を託す元気な木を選び、その成長の支障となっている木を伐ります。森の多様性を高めるため、広葉樹は細くても優先的に残し、隣の太いトドマツを倒すこともあります。受講生の皆さんに伐る木を選び、その理由を説明してもらいました。



 伐る木が決まったらいよいよ伐倒です。周囲の木に掛からないよう、どの方向に倒すか慎重に見極めます。ただし間伐遅れのこのエリアは木と木の間が狭いので、なかなか難しいです。
 倒す方向を決めたら受け口を作ります。受け口が正確に目標に向くよう、切り口を丁寧に合わせていきます。達人なら一回でぴたりと決めますが、初心者は最初は浅めに、何度も確かめ、やり直しができるようにするのがコツです。受け口ができたら追い口を切り、ちょうつがいとなる「つる」がうまくできていれば、木は狙い通りに倒れていきます。
 想定どおりスムーズに倒れる木も、隣の木に掛かってしまう木もありました。またこの場所はヤマブドウやコクワなどのツル植物が多く、絡んで倒れてくない木もありました。掛かり木になってしまった場合は根元の「つる」を切り離し、フェリングレバーと呼ばれる道具で幹を回して倒します。根元をロープで引いたり、回したり、知恵も力も必要な、一番の大仕事です。
間伐では掛かり木にならないよう、少々手間がかかっても正確に倒すことが、安全面でも大事だと身にしみます。

 今回の講習ではかなり実践的な伐倒練習ができたと思います。森づくりや間伐の考え方が分かっても、いざ木を倒すとなると様々な障害が立ちはだかります。木は枝ぶりや傾き、周囲の状況など一本一本が異なります。十分な知識や経験がない中での伐倒作業にはとても危険です。
 森薪塾を通して、安全で楽しい森づくりの知識や技術、経験をさらに深めていってほしいと思います。

 次回の森薪塾は10月8日(月祝)です。テーマは「森の見学会」です。道有林で試験的に行われている育成天然林施業の現場を担当職員の方から直接お話を聞くことができます。また午後は21世紀の森を訪ね、原生的な森を歩く予定です。参加ご希望の方はメール(maki@morinet-h.org)または電話(0166−76−2006)までご連絡ください。
(中村)

<このプログラムは株式会社かんぽ生命保険の協力によって運営されています>

2018年8月17日金曜日

突哨山遊歩道の閉鎖はまだ続きます 2018.8.17

 緑濃い季節となり、エゾゼミの合唱もピークです。
 夏休みに森歩きをしたい方もいらっしゃるでしょうが、突哨山の遊歩道はヒグマの出現が続いているため残念ながら閉鎖解除の見通しが立っていません。
 突哨山の公園区域には、51日に小型のヒグマが北部の高速道路を越えて侵入し、姿や足跡が確認されたため、全山の遊歩道が閉鎖となりました。
 その後も、7月中旬にぴぴの路入り口で、アリの巣となった枯れ木をひっくり返してアリを食べたり、84日にカタクリルート上を横断する姿が自動カメラに写るなど、公園区域内で小型と中型の2頭の行動が確認されています。
 今のところクマは人間を避けており、フンからも人為的な食べ物は出ていないので、攻撃的で危険なヒグマではないと考えられます。しかし、だれでも気軽に歩ける「公園」(都市緑地)という突哨山の性格から、旭川市では通行止め解除は当分できないと判断しています。
 公園内では旭川市と「もりねっと」が合同で痕跡調査や自動カメラの確認などを行っています。巡回では、足跡、フン、食痕などがないか見回り、自動カメラの電池や記録メディアを確認、交換します。
 歩道上のところどころでは、持参したクワで土を掘り起こし、クマの足跡が残るようにもしています。原始的な方法ですが、数多く設定できるので意外に有効なのです。

 
■鈴と生ゴミ
 カタクリ広場の歩道入り口に、ビールの空き缶が落ちていました。長年、突哨山を歩いていますが、「生ゴミ」に相当する物は初めてです。普段ほとんどゴミらしいものはなく、あってもアメの包み紙程度でした。
 おいしい匂いのする空き缶などの生ゴミ類は、ヒグマを呼び寄せ、悪くすると人間に近づく習性を教えてしまいます。野山のゴミ捨ては、誰かの命にかかわりかねない、大きな問題なのです。
 最近、銃声がするとハンターに近づいてくるヒグマが増えているそうです。なぜだかおわかりですか?
 今どきのハンターの多くは、シカ猟がメインです。ヒグマを追う「クマ撃ち」はめっきり減りました。ヒグマにとっては、銃声は身の危険ではなく、シカを解体した後のおこぼれにありつける「おいしい音」なのです。
 明治以降、ヒグマは銃に追われる生活をして、銃声や火薬の匂いを避けると言われてきました。そんな常識をひっくり返し、時代の変化、人間の変化に軽々と順応して行動を変えていく学習能力を持った生き物がヒグマです。
 では、鈴の音はどうでしょう。「鈴を鳴らすとクマが寄ってくるんじゃない?」と最近よく聞かれます。銃声に寄ってくるくらいなら、鈴の音だって…。
 誰かがそんないい加減な類推を言ったのでしょうか。今のところ、鈴の音にヒグマが近寄るという話は聞いていません。
 考えてみましょう。
 今どきの銃声は、(命中すれば)解体されたシカがあることを知らせます。
 鈴の音はクマにとって何かいいことがあるでしょうか。人間を食べ物と見なすヒグマは普通はいないので、鈴の音は単に「邪魔な二本足の動物がやってくる」という知らせです。特に興奮していないクマは、トラブルを避けて身を隠します。時にはほんの数メートルだけ離れたヤブに潜むこともあります。
 最近の登山者や釣り人はマナーが良く、ほとんど生ゴミを残さないので、ヒグマにとっては「近寄る価値はない」存在です。多くの人が、何十年もかけてそういう環境を作ってきました。
 ただこれが、お弁当を埋めたり、ビールの空き缶を捨てていくと話が変わります。ヒグマが「鈴の音がうまい物を運んでくる」と学習したら…。とんでもないことになりますね。

 野生動物との距離感、緊張感は野山を歩く一人一人が築いているのです。(山本牧)
   

写真説明
 
1.ぴぴの路で、歩道沿いの丸太をヒグマが転がした痕跡。ヒグマはアリの巣を壊し、成虫や幼虫を好んで食べます。栄養があるのか、食感がいいのか?

2.カタクリ広場の歩道入り口に落ちていたビール空き缶。おいしい匂いをクマが学習すると大変なことに…
 
3.自動撮影カメラに写ったアライグマとエゾシカ。夜間は赤外線撮影になるので、モノクロ画像になります


 



4.突哨山付近に落ちていたヒグマのフン。植物のタネがたくさん入っています








2018年7月17日火曜日

薪の販売 早割受付中です!(終了しました)


おかげさまでたくさんのご注文をいただき、薪の受注は終了いたしました。
2018.9.27 


7月も半ばとなり、これから暑さ本番の季節ですが、さらにアツイ薪のお話を。

 ■早割受付中
まずは「早割」のお知らせです。下記の期間と量の条件を満たすと「早割」として配送料が無料になります。通常配送料は1袋につき2000円です。
9月末までに、9-10月配送の予定で予約お申し込み
☆配送1回につき3袋以上の購入
11月以降の配送分は適用になりませんのでご注意ください。
 お申し込み、問い合わせはこちら ask@morinet-h.orgへ。

 ■薪割り追い込み
薪をその年に使おうとすると、今くらいまでに割っておかないと間に合いません。「もりねっと」では、乾燥度調査から、「広葉樹薪は6月末までに割り終える」という自主基準にして、今冬分はすでに割り終わりです。
 「もりねっと」の薪は、「薪袋」と呼ぶ、通気性の良いナイロンメッシュの袋に入れ、乾燥から移動、配送まで行います。風通しの良い場所に間隔をあけて並べておくと、10月末には水分率16-20%のよく燃える薪になります。
 担当者は原木をチェンソーで玉切り、エンジン式薪割機で割って、袋内に積み上げる作業を毎日行い、日焼けしてだんだん色黒になっていきます。
ちなみに自宅用の薪は後回しになって、先週やっと積み終えました。

 ■Q&A 薪の消費量
 「薪ストーブを導入したが、焚く薪の量がわからない」というお問い合わせを頂きます。これはストーブの種類や家の構造、広さ、生活パターンにより、大きな差があるのでなかなか難しい問いです。
 ざっくり言うと、灯油暖房メインで休日に焚くくらいなら2立方m以下、主暖房で効率の良い二次燃焼型ストーブ(鋳物)なら5立方m前後、従来型の鉄板ストーブだと8-10立方mくらいというのを目安にしてみてください。

 ■薪の単位
薪は重さで測ると水分の多い不良品が割高になるという矛盾があり、普通は体積で測ります。ただ、積むと必ずすき間ができるので、「すき間込みの体積=層積」という考え方をします。
1立方mというのは縦横高さ1mですね。「もりねっと」ではいろいろ試してみて、この1立方mの箱に薪を「なるべくすき間なく詰めた」状態を薪1立方mとしています。実際に使う薪袋では乾燥しやすくするため「すき間なく」は詰め込まないので、余裕を見て、底面が1m四方に高さ1.2m(つまり1.2立方m)のサイズを「薪1立方m」として販売しています。重さはおよそ400キロくらいです。
薪が普通の燃料だった戦後までは国の農林規格に基準があったのですが、現在は公的な規格はなく、乾燥度(水分率)も含めて、それぞれの事業者がそれぞれの尺度をもっているのが現状です。

 ■乾燥は半年でいい?
 湿度の多い本州を基準にすると、解説本などでは「2年乾燥」とありますが、梅雨がなく6-7月によく乾燥する北海道では、風通しの良い場所に置けば、11月には十分燃せる薪になります。ただし、「風通しの良い」がポイントで、軒下にすき間なく積んだり、車庫内においたりすると十分な乾燥は望めません。
 地下室や車庫に保存する場合は、乾燥期間が長くなるよう、なるべく冬間近の配送にするようお願いをしています。


 ■ナラ100%がほしい!
 ミズナラは香り、火持ちが良く、割りやすいので、薪には最適です。その半面、火付きは良くないため、ナラ100%の薪は使いやすいとは言えません。焚きつけや着火直後の温度上昇にはシラカンバやハンノキなど、軽くて乾きやすい樹種が向いています。
 森には多種多様な樹木が生えています。いろんな樹種をその特性に応じて使い分けることこそ、「火の達人」ではないかと思います。
 「もりねっと」では広葉樹の標準薪は、ナラ、イタヤ、ヤチダモ、ニレなど、堅くて重く、火持ちのよい樹種を6割以上としています。ここ数年はミズナラが順調に手に入るので、ナラが7-8割くらいの比率になっています。その他はシラカンバ、シナノキ、ヤナギなどが少し混ざります。森は生き物なので、その資源を無駄なく使うため、ナラ100%にはこれからもこだわりません。
 むしろ人工林材を活用するには、焚きつけには燃えやすいトドマツ、主燃料には火力のあるカラマツもこの先は有力ではないかと考えています。
(山本)





2018年7月13日金曜日

森薪塾2018 第1回講習会を実施しました。



201878日、久しぶりの青空の下、今年の森薪塾が始動しました。
今回の参加者は2名と少なかったですが、その分充実した内容になりました。
今回の参加者はほぼチェンソー初心者で、お1人は薪ストーブに、もう1人は森づくりに興味があっての参加でした。
 
 まずはチェンソーの各部装置の説明から始まり、保持姿勢、エンジンの始動、スロットルコントロール、またキックバックなどの注意事項なども、1人1台ずつチェンソーを持ち、実際に操作しながら細かく解説を受けました。
続いては丸太の玉切り。右手のスロットルコントロールと左手の加重のかけ方の感覚を確認しながら切っていきます。下から丸太を半分切り上げ、上から合わせて切断するのはちょっと難しかったです。丸太の中央にチェンソーの刃を入れる「突っ込み切り」は、立木の伐採に活用する基本技です。
薪作りを想定し、積み重ねた丸太を切りそろえる作業もしました。バーが挟まれたり、キックバックが起きたりと、なかなか大変です。挟まれたバーの脱出方法や挟まれないための切り方も学びました。


  午前中の最後は薪割りです。安全な薪割り姿勢や樹種による割れ方の違い、コブや二股など手強い丸太の攻略法を体験しました。。

 午後からは東鷹栖の広葉樹林に入り、森づくりの基本を実習しました。この森の来歴や育成方針、広葉樹林の間伐方法などの説明を受け、その考え方に基づいて間伐する木を選びます。まずはこの森の将来を託す「主人公」となる木を選び、その木の妨げになっている木を倒します。お2人それぞれに選んでいただきました。


本番前に切り株を使って、伐倒のための受け口、追い口の切り方を練習しました。北欧方式なので、受け口の斜め角度は70度、追い口は受け口と同じ高さです。日本の従来方式との違いや、その理由も解説がありました。チェンソーを水平や斜めに安定して動かすのは大変ですが、今日の塾生はなかなか筋がいい!
さらに少し太めの木では、「追いヅル伐り」という突っ込み切りを使った倒し方を練習しました。この伐倒法は、受け口を作るところまでは同じですが、追い口側の幹にチェンソーのバーを突っ込み、ちょうつがいの役割を果たすツルを先に形成した後、最後に追い口側の後端を切断する方法です。木が倒れるときにちょうつがいの役割を果たし、伐倒の精度を左右する「ツル」を安全にじっくりと作ることができます。


 いよいよ本番。それぞれに選んだ木を倒します。胸高直径(地上1.3mの直径)25センチ、樹高20メートルのシラカンバを選びました。慎重に倒す方向を見定め、そこに向かって直角に受け口を作ります。練習した突っ込み切りでツルを作り、最後に追い口側から切り離します。木は2本とも、見事に狙った場所にゆっくりと倒れていきました。

 日本のチェンソー教科書は達人のやり方をそのまま教えています。それは早くてきれいな方法ですが、上達するには時間がかかり、その間に危ないこともあります。
 「もりねっと」が採用する北欧メソッドは、「初心者は間違う」ことを前提に、間違ってもやり直しがきく、致命的な危険につながらない、安全に、着実に進める手順で行います。夢のある森づくりでケガなんかしたらつまらない。安全は、自分のために、本気で実現するものです。
 伐倒した後、空を見上げました。森の天井にぽっかりと空間が広がっています。「将来の木」に選んだハリギリやミズナラに太陽の光が降り注いでいます。
 お2人とも「普段なかなかできない体験ができた」「森が動き出す実感がある」と満足そうに話してくれました。



 もりねっとでは「森薪塾2018」の受講生を募集しています。途中からの参加も可能ですのでお問い合わせください。
お問い合わせはメール(maki@morinet-h.org)または電話(0166-76-2006)まで。
次回は92日(日)人工林の森づくりと間伐です。
このプログラムは「株式会社かんぽ生命保険」の協力によって運営されています。
(中村)