2012年8月24日金曜日

突哨山―木の腰かけ―

しみずです。





1年ほど前、突哨山の観察会のときに「休憩できる場所、座って観察できる場所が欲しいなぁ」と参加者からの声がありまして、それから協議会でアレコレ検討してきました。


いわゆる、突哨山に「ベンチ」をおくべきかどうか。
ベンチと聞くと森に同調しないイメージが強いので、「腰かけ」ということで考えました。


協議会では反対意見が多くでました。

「地面に座れるではないか。椅子は必要ない。」というワイルドな意見から、
「案内板は必要最低限としても、ベンチはどうか。一つ何かを作って置いてしまうと、あれも欲しい、これも欲しいと歯止めがきかなくなるのではないか」という慎重な意見や、「置くと仮定して、場所はどうするのか。何カ所にどれだけ置くのか」と、時間をかけて検討しました。


賛成する意見もありました。
「幅広い年齢層が訪れる突哨山、全員体力があるわけではない。椅子があれば汚れず休憩できる」といったもの。


簡単に結論はでませんでした。




●1年かかりましたが、「まずは置いてみて、市民の意見を聞いてみよう」ということになりました。



そして、昨日8月23日、どしゃ降りの中、作ってきました(なんもあそこまで降らんでも・・・)


①景観を損なわず、
②なるべく手間をかけず
③簡易的で実用的なもの。案内板を作った時と同じ考えです。
 それにプラスして
④材は、風倒木や危険木処理したもので、近くにあるものを使う。

 ということでやりました。

 とにかく④番をクリアするのが辛かった。腰かけサイズの太めの材で倒れている木はあるにはあるんですが、置く場所から遠かったこと。

 「重いし、雨だし、遠いし運びたくないよぉ~」と一通り、嘆き、悲しんだ後、「仕方ない」で割り切りました。




置いた場所は3ヵ所あります。腰かけの大きさは、大人2人が座って余裕がでる程度です。


①ガイドマップ5番のトドマツ人工林。材が近くてラッキーでした。


2年前(だったかな?)に間伐した材です。
ヤニはつかないと思いますが、座る前に手で触って確認してくださいね。


②稜線分岐。谷渡りルートとカタクリルートがぶつかる尾根側の分岐。
 ここより50mほど下がった谷渡りルート上に、太いシラカバが遊歩道をまたぐように倒れていました(これも2年前ほど)。このカバ材は重くて、運ぶのが大変だった・・・。


 僕の好みで、枝分かれしている部分を使いました。
チェンソーを置いてある場所が又になっていた部分です。

③最後は、木漏れ日分岐。
 ここはミズナラが多く、安定した(風倒木が少ない)林になっています。
 南折り返しの近くで、倒れたヤナギがありましたが、「運ぶには遠すぎる!」と判断しました。
 しかし、よく見てみると、腰かけに適したサイズ・・・。
 
 倒れたヤナギから声が聞こえました。
 「俺を使え!これ以上進んでも倒れている木はないぞ!」と・・・。

 そうしてできたのが↓の写真です。
 ここだけ、腰かけの長さは他より短い仕様となっています。



という感じで、試験的ではありますが置いてみました。
作ってみて、失敗したのは「高さ」です。子どもならちょうどいいけど、大人は若干低く感じるかもしれません。



それと、早速「腰かけの魔力」に襲われました。
座って森を見る・・・これってとっても妄想力が働きますね(笑)


「ここを草刈りして小道を作って、そこにはあずま屋があって・・・あずま屋にはガイドさんがいて休憩しにきた人たちと交流して・・・あっ、ツリーハウスもあって高い所から森がみれたり・・・」

なんだろう。開拓心が湧いてくる。

「あぁ、突哨山が自分の森だったら・・・」

石黒さんと2人で、しばらく妄想していました。





ということで、「こんなもん置きやがって!」という前に、是非座ってみてください。
ご意見、ご感想は「記帳ノート」に書いていただくと助かります。

とりあえずは、1年ほど様子を見て、皆さんからの意見を聞いてみたいと思います。
宜しくお願いします。



2012年8月21日火曜日

突哨山―コウモリ観察会と森の景色―

しみずです。


今日はビニールハウスにいるような蒸し暑さでした。黙っているだけで汗がダラダラ・・・
そんな午前中に、近文第二小学校2,3年生の森林体験のお手伝いをしてきました。
夏の森で気づいたことがいっぱいあったね。

みんな元気いっぱいに活動していました。
ぼくらも暑さが吹っ飛ぶほど元気をもらいました。ありがとう!





さて、今年の「突哨山でコウモリ探検」も盛況でした。
毎年、コウモリ観察会を開催していますが、大きな理由があります。

「遠い存在だけど実は身近な生き物のコウモリを知ってもらうことで保護につなげる」ことと、「コウモリの間違った固定観念を捨ててもらうこと」を大きな目標としてやっています。


それとは別に、僕がずっと気にしていることもあります。
「人と森と、そしてコウモリがいる」このことを参加者の皆さんにどう伝えられるか。
コウモリを見て感動してもらうことはとっても嬉しいけど、それだけで終わらせたくないのです。

もりねっとに入って、森の不思議、面白さ、色々と学んでいます。
このことを、コウモリ観察会にも活かしてきました。


どうだったでしょうか。
コウモリがいる身近な里山、突哨山の魅力が少しでも伝わっていれば、ぼくたちも嬉しく思います。
写真少ないですが、紹介します。



7月も8月も定員を超える20名以上のみなさんと、山を歩きました。

7月は2匹、8月は雨でしたが5匹、カスミ網にかかりました。
内1種(キクガシラコウモリ)は奇跡的です。


ここからは観察会中に見られたコウモリの紹介です。


突哨山が大好きなコウモリなんでしょうね。
この山で多くみられる1種、カグヤコウモリです。

 同じくらい突哨山が大好きな、ヒメホオヒゲコウモリ。
この種も、カグヤコウモリと同じくらい多く飛んでいます。

「コウモリってどうやって餌をつかまえるの?」と質問がありました。
ハウスの実験中に、奇跡的に撮れたので紹介します。
向かって右側の翼で、蛾(白く見えるのがそうです)をつかんでいる(包み込んでいる)様子です。
よく見ると、尾膜(尻尾にある翼)も包み込むようにしています。
食べる直前の一枚でした。


コテングコウモリ。
イタドリやササの葉をねぐらにすることがあります。

モモジロコウモリ。
9月ころ、水辺をよく飛び回る姿が見られます。

キクガシラコウモリ。
十数年間、突哨山で調査をしていますが捕獲できたのは5,6回しかありません。
突哨山の南にある鍾乳洞をねぐらにしています。
おもしろい顔をしていましたね。

今日はどこを飛んでいるのかなぁ。
来年も、7月、8月ころに開催する予定です。是非ご参加ください。






変わって突哨山の様子です。
ずっと風景を撮っていたのですが溜め込みすぎました。
厳選していくつか紹介します。
気になったらぜひ、足を運んでみてください。


撮影したのは8月初旬、少し前の様子ですが今も変わらず素敵な森林浴ができます。

入山口周辺には案内図があります。
カタクリ広場口からの様子。

やっぱり森は気持ちがいいです。
ガイドマップ番号2番あたりの遊歩道の様子。

ホオノキです。突哨山ではやや少なめ。

ぼくらの観察会ではすっかりおなじみ(笑)
最初に注目する木、ヤマウルシです。
かぶれない距離から撮影。

同じくヤマウルシ。
夕日に照らされています。

この枯れた木が、どれだけ森に、生き物にいいことか。
ただ、そろそろ折れそうで危ないんですよね。
人には良いことないのかな?
遊歩道の安全はしっかりと確保しますので、安心してください。

ハウチワカエデです。
背が低いのが多く、日陰に生えていますが、この木は日陰でも強く生きる木です。

これはすごい偶然でした。
午後2時、撮影中にコウモリの鳴き声がしました。
まさかと思ってある木に近づいてみると、ほんとにいました。
写真下に耳がひょこっとでています。
裂けたシラカバの割れ目に、50匹ほど親子で群れていました。

なんと、突哨山で10種目になるヒナコウモリでした。
もうこの後は風景撮影どころではなく・・・夜にも調査していました。
あさひかわコウモリ地図の改定版ださないとな・・・


最後に地図を。

最短周回コース

①突哨山駐車場に駐車。
突哨山口→※南折り返し→山頂分岐→木漏れ日分岐→突哨山口=約1,5km。
※順路はありませんので、南折り返しと山頂分岐は好きな方から回ってください。

歩くスピード、人にもよりますので、あくまでも目安ですが、周回30分~40分ほどです。


中距離周回コース。

②突哨山駐車場に駐車。
突哨山口→谷渡り分岐→稜線分岐→南折り返し→突哨山口=約2.2km
ショートカットは、稜線分岐→山頂分岐→突哨山口=約1.9km

周回1時間ほど。


③カタクリ広場に駐車。
 カタクリ広場口→扇の沢分岐→北分岐→扇の沢口=2.6km。
 体力があれば、北分岐→ぴぴの路(比布町側の遊歩道です)を歩くのも面白いです。
 村上山公園口では比布の町並み、大雪山連峰が一望できます。

長距離コース・周回ではなく、大半が同じ道を往復します。
④カタクリ広場か、突哨山駐車に駐車。カタクリ広場がスタートの場合を紹介。
 カタクリ広場口→稜線分岐→谷渡りルートを歩く→谷渡り分岐→南折り返し→カタクリ広場。
 約5km。1時間以上かかります。



入山口には、「情報ボックス」がありますので、ぜひ開けてガイドマップをおとりください。
各分岐に、現在地と行き先を示す案内板がありますので、現在位置を確認することができます。
きっと迷うことなく、楽しむことができます。



突哨山に関するお問い合わせは、お気軽にもりねっとまでお尋ねください。

また今回撮った写真は、カタクリ広場口から2番周辺の様子です。
進むたび、森の景色が変わっていくので、自分好みの森の景色を探してみてはどうでしょうか。


★意外と知られていないと思う禁止事項をあげます。看板などでこうした禁止事項を掲示していないのが現状なので、知らなかったという仕方ない部分もあります・・・
来年度、看板に記載する予定です。

①ペット連れの入山。
②バイクや自転車での入山。
③採集の禁止。

ご協力よろしくお願いします。

2012年8月8日水曜日

8月2日 こどもミツバチ研究会 終わりました。

しみずです。



8月2日、小学生を対象とした親子森遊び「こどもミツバチ研究会」を開催しました。

森の小径ファームで虫とりをしてから、昨日に引き続きこぐれさんにミツバチ講習をお願いしました。

森の小径ファーム、ニワトリ小屋番長のアローカナ



虫網、虫かごをしっかりもって車から降りてくる子どもたち。
みんな似合うなぁ!

駐車場では、さっそくヘビがお出迎え。
脱皮寸前で、目が白く濁っていました。



出発前にちょっとお話。

普段、虫取りをしている公園とは違って、森にはいろんな生き物がいます。
危険な生き物もいるよ!と、毛虫や蜂、クマのことを話ました。


早く出発したくてうずうずしている子どもたち。

いざ!虫取りへ!
アローカナや烏骨鶏も様子を見にきました。




昨晩、雨が降っていたのですが、心配無用でした。
ものっっっっっすごいバッタの数!
トンボも蝶々も、たくさんいました。



捕まえた虫を観察。
普段、種名まで調べることはないのですが、
今回は自由研究の材料にしてもらいたかったので、図鑑や虫眼鏡でよくよく観察しました。



蜘蛛をつかまえた子もいました。
中には噛まれるとすごい痛いやつもいるから、気をつけるんだよ・・・

小さな虫から、大きな虫、初めて見た虫などたくさんつかまえました。

森での虫取り、好きになってくれたかな?



お腹が減ってきた頃に、こぐれさんのミツバチ勉強会!

「ミツバチみたことあるー?」とこぐれさん。
巣箱から1匹とりだし、手の上を歩かせています。

ミツバチの針、毒のことを紹介中。
お尻から針を出している様子を見せています。

「それでは、刺されてみたい人ー?」

なんてこと言うんだぁぁあ!?

当然、誰も手をあげず・・・


「ホントに刺されないでいいんだな!?」と念を押すこぐれさん(笑)
と思ったら、「じゃぁ刺されるからよく見てて!」と腕に蜂をもっていく。

な、なんて勉強会なんだ!

回転しながら毒を注入し、最後はお尻から針が抜ける様子を見ました。


しっかし、刺された時のリアクションが全くなかったこぐれさん。
以前、養蜂家の仕事を見学にいったときに、唯一刺された石黒さんは「痛っいぃ!!」とかなり声をあげていたのですが。

どんな痛さ?と聞いてみると、「雑に痛い」だそうです(笑)


みんなびっくりしてたけど、何事もなかったかのように巣や、女王蜂の話へ(笑)
実際、腕は少し赤くなっているだけで、何ともないようです。
何度も刺されると強くなるんですねぇ。

石黒さんは、刺された次の日すごい痒かったって言っていました。

しっかりメモっている子もいました!

お話も進み、試食コーナーへ。
子どもたち、ちょっと蜂にびびってたけど、食べられるとなったら別でした。
すぐさま巣により、手でハチミツをなめていました。
しかも巣には数匹のミツバチがお仕事中でしたが、すっかり慣れてしまった様子。

試食コーナーその2
「ローヤルゼリー」

蜂の子が巣の中で食べる食料だそうです。
人間が食べるとどうなるか・・・

とってもマズイようです(笑)
貴重な体験しましたね!


お口直しに、ハチミツの食べ比べ。

今回は食パンにつけて食べました。


牧さんが僕の目の前でおいしそうにハチミツをかけるワンシーン。
ぐはぁっ!食べたいっ!

働き蜂が一生(1ヶ月~2ヶ月ほど)かけて集めてくる蜜は、
小さなスプーンに1杯くらいということでした。

感謝していただきます。

最後には、ミツバチとの距離も近くなっていました。
よくみるとかわいいもんね!

まだ若い個体は、胸に毛があるそうです。
↓この子↓





★おまけ★
 6月末、今回のイベントの調整でこぐれさん宅にお邪魔しました。
 そこで少しだけ養蜂家の仕事を見させていただきました。
 
 その中でもインパクトがあったのがこれ。


巣箱から逃げだし、樹の葉っぱに群がるミツバチたち。
写真上部、茶色っぽい塊が全部ミツバチ。


この塊に、巣箱に入っている木枠を優しく沿わせてやると・・・

ざわざわと木枠の方に移っていくではありませんか!
不思議~!

ある程度ついたら、女王蜂がいないかその場で確認・・・
写真のあちこちにある黒点はミツバチです。
これだけ人に群がっていますが、刺されることはありませんでした。

見ていてかなり怖かったのですが、やってみました。
蜂の羽音とか群がり方が度迫力で、やっぱり怖かった。
それに高い場所での作業だったので注射されるのと同じくらい怖かった・・・。

1回も刺されませんでした。
これがきっかけで、ミツバチの怖いイメージはなくなりました(笑)


「はちみつのこぐれ」さん、本当にありがとうございました。
また買いに行きますね~!