9月8日日曜日、今回の森薪塾のテーマは「森を育てる間伐1」です。今回は8名の方に参加いただきました。旭川市内の方が3名、札幌市から2名、赤平市から1名、さらに遠く中標津町からご夫婦で参加された方もいらっしゃいました。
まずは作業道を造成し、針葉樹と広葉樹の混交林化を図っている60年生のトドマツ人工林を見学しました。ここの森の作業道は斜面と平行に走り、道の間隔はおよそ50mに設定されています。高さ20mの木をうまく倒すと作業道から引き出しやすい間隔になっているんです。この森は皆伐をして植え直すという人工林のサイクルではなく、多めの間伐によって広葉樹を増やして、持続的な針葉樹と広葉樹の混交林に変えていくことを目指しています。間伐によって残されたトドマツが太くなり、同時に林床に太陽光が入ることでイタヤカエデやハリギリ、ミズナラなどさまざまな広葉樹の幼木・若木が茂り始めた様子を見ることができました。「伐ることで森を育てる」という、間伐で森が動き出す様子を実感しました。
次に間伐トレーニングを行うトドマツ人工林に移動しました。ここの森は長期間間伐されていないため、樹齢は50年と先ほどの森とは10年ほどしか違いませんが、林内の様子は全く違います。全体に薄暗く、生えている木は明らかに細いです。また林床に日が当たらないためほとんど何も生えていない状態です。上の写真と比較するとよく分かります。
ここの森でも、先ほどの間伐されたトドマツ林と同じように、間伐によって残された木を育成し、さらに林床に日が当たるスペースを作ることによって、広葉樹の発芽を促します。そうすることで将来的には針葉樹と広葉樹の混ざり合った針広混交林を目指します。
今回は初めて参加される方もいらっしゃったので、初心者チームと経験者チームに別れて研修を行いました。初心者チームはチェンソーの基本的な扱い方から。経験者チームは早速間伐の作業に入ります。
経験者チームでは、まずは伐る木を選ぶ選木を行います。選木では、間伐のためにどの木を伐るか、を決めるためにまずは残す木を選びます。この森の将来を託せる元気な木を選び、その木の成長の妨げとなっている木を伐ります。
伐る木が決まったら、いよいよ伐倒です。今度は伐る木をどの方向に倒すかを見極めます。こういった間伐遅れの混み合った森で、周囲の木にかからないように方向を決めるのはとても難しいです。
倒す方向が決まったら、チェンソーで受け口を作ります。受け口は倒す方向と直角に作らなければなりません。慎重にチェンソーの角度と切り込みの深さに注意しながら切りすすめます。受け口ができたら反対側から追い口を切っていきます。追い口はチェンソーの刃が水平に入らなければなりません。そして最終的に木の直径の10分の1のツルを残します。ツルはちょうつがいの役目を果たし、木が倒れる方向を制限します。
今回は周囲の木にかからずに、うまく狙った方向に倒れました。
木が倒れたら枝を払います。伐った木を搬出し利用する際に邪魔な枝を切り落とします。一見地味な作業ですが、慣れないとかなりの重労働です。重量のあるチェンソーを枝の角度に合わせて動かしながら枝を切り落としていきます。
今回は経験者チームで一人約3本。今までチェンソーをほとんど扱ったことのない初心者チームでも木を倒すことができました。
最後はみんなで反省会。それぞれの感想を共有しました。みなさんの感想は以下の通りです。
「3本倒す目標でしたが、1本でへばりました。」
「やればやるほど奥が深く、楽しかったです。」
「枝払いがとても疲れました。疲れた時は危険だと感じました。」
「初めてチェンソー使ってみて怖かったです。うまくできず悔しかったのでまたきたです。」
「森を見て、どの木を残すかの判断が難しかった。勉強になりました。」など。
みなさんそれぞれ、森薪塾に参加されるきっかけは様々ですが、このような講習会に参加されることで、「森づくり」の奥深さやおもしろさ、そしてその意味が少しでも伝わるといいなと思いました。
次回は10月、第3回森薪塾「森の見学会」です。
(中村)
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