2011年9月24日土曜日

続・森の道

●秋山記念生命科学振興財団の助成を受けた、「森と里つなぎプロジェクト」の報告です。

陣内です。
9月は間伐作業でほとんど
更新ができなかったです・・

この現場、田邊さんの教えに
忠実にやろう、と思ったのですが、
水がどこでもわくのと、
ほとんど晴れ間がなかったのとで、
まったくはかどりませんでした。
でも、おかげで良い勉強になりました。

表土をとって路肩に積む、
芯土は地山も削って、
左右がおなじ強度になるように
シャッフルして踏み固める。

そうなんです。そうしたかったんです。
でも、こんな風に・・・


ど、どうしたらいい???
教え子一同、頭を抱えました。
なんたって、ひとすくい掘っただけで、
どんどん水がわいてくる。
泥を踏み固めても、泥遊びになるだけ。


しかも表土はほんとにとろとろになってしまう。
しかたないので、表土の下の黄色い粘土を
掘り出して、あいた穴に丸太をいかだ状に組み、
粘土で締め固める。

どんどん横から差してくる水は、
先に横断溝や側溝で排水。


やっと道らしくなってきた・・・


ユンボ、土と格闘の図。
パルプ材はだいぶ路盤材に埋めてしまいました・・
もったいないけど仕方ない。
深い土の中にある木材は、何十年も腐りません。
酸素が遮断されるから。



やっと搬出作業ができるように。
奥に見える林はだいたい伐倒が終わってます。
木の密度が濃いように見えますが、
イタヤカエデやハリギリがたくさん生えているから。
これを残すのに、清水くん、広葉樹を
ロープで引っ張って、カラマツの下敷きに
ならないように、えらい苦労してました。

ほんとにびっしり生えていると、
どこにも倒すところがない。。。。


できました!!森の道です!!
田邊さんの道ほどじゃなけど、いい固さ。


でも、雨が多くて仕上げきれなかったところは、
カラマツの梢の部分で、排水と機械の沈み込み防止を
かねて補強。晴れが続いて粘土が乾いたら、
手直し、仕上げ作業をします。
たぶん、来春。



大きな土場をつくれば椪積み(集積)
はラクなんだけど、
そうなるとたくさん木を伐って、
そこが明るくなって、草や笹が茂って管理が大変になる。

こんな風に、道のわきにちょっとずつ積んでも、
大型トラック1台分ためれば、
搬出はできる、ということが分かりました。

今回も苦労したけど、間伐後の山は
とってもきれいになったと思います。
もちろん、間伐後の立木への傷もなし。
残した広葉樹への傷もないように気を付けました。
山主さん、とっても喜んでくれました。

大型機械とはくらべものにならないけど、
「自然にはえた広葉樹を残して」という山主さんの
要望に応えるには、現状ではこの方法しかない。

こんな要望は、たまにあるのですが、
現状の林業の現場では、効率重視で
なかなか実現できません。
残した広葉樹とカラマツの管理をどうバランスするか、
難しいということもあります。
でも、道があって山主さんが関心を持って、
一緒に考えてくれる人がいれば、
可能性が出てきます。

手帳にきたなく書き込んだデータを集計して、
みんなに分かりやすいようにまとめねば・・・
いろいろ検討の余地があります。

間伐が終わったら、山主さんと残す木の
マーキングやササを刈って歩き道を
つけたり、いろいろとやることがあります。

10年後は広葉樹の間伐だなあ・・・

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