2011年9月28日水曜日

帰宅途中で。

しみずです。


陣内さんが連続して更新した「森の道づくり」の間伐と搬出と景観担当の清水です。
作業が始まったのは9月の初旬。
また久しぶりに持ったチェンソーで四苦八苦。
今回の山のカラマツは樹高が25m前後で、僕にとってはこのサイズは初めてでした。
倒れた時は前方25mが下敷きになるので、倒す前の樹種確認と、伐倒方向の見定めはかなり重要でした。

搬出はもう・・・やまびこを使ってせっせと運びました。これが一番・・・苦労する・・・。

間伐後は枝や木の梢などが林内に錯乱し、見た目が汚いため、枝や幹をまとめて、道から見たときに『おぉっ』と思えるように綺麗にしました。結局、数年たてば草が生えてきて見えにくくなるけど、今が綺麗だったら歩きたくなるんじゃないかと思って。
伐根も平らにして、子どもたちが椅子にしたくなるようにしました。
ちょっと秘密の裏道みたいな場所や、バーベキューがしたくなるような広場があったり、高い伐根でちょこっと細工したり、楽しんでもらえるようなものも。
作業をしてるとこっちも夢がふくらんできます


写真はありません。
チェンソーと燃料と木材トングと僕の燃料(スポーツドリンク)が標準装備で、カメラをもっていけない・・・
終わってから撮影しようといつも思ってるのですが、眠たい・・・



現場から帰る途中、すごい光景を目にしたので、久しぶりにレフでとってみました。
やっぱり、生き物をとるのが好き。高かったけど、レフを買ってよかったと思う。

すごい光景↓
・・・ヘビを捕まえて飛び立ったトンビが、低空すぎたため有刺鉄線にヘビが刺さり、その反動でトンビも空中でふらつき、結局ヘビを置いて飛び去っていったということが一目でわかる素晴らしい絵を描きました。



そのヘビがこれ・・・ちょっとグロテスクです。



・・・こういう光景が間近で見られてラッキーだった。
そういや昨日は車に引かれたタヌキをみたなぁ・・・
道路を挟んで一方が森、一方が畑。
ねぐらとする森から、畑の食物を食べようと道路を渡っているところをひかれたのだろうか。
このタヌキも、自分が住む森では何か不満があったのだろうか。

これとは別のケースで、野生動物に餌付けをすることで、こうしたロードキルも増えてくる。
例えばリスで、自宅の前にリスのエサ台を置いたところ、そこへ向かう途中、道路を渡るために車にひかれるなど。餌付けは動物たちとの距離が非常に近づくということを、慎重に考えて行動したい。

こうした光景を見ると、山では十分なエサが確保できないのだろうかと勝手に想像してしまう。
だからこそ、森づくりの際は人間以外の生き物たちのこともよく考えて作業しないと、といつも思う。



そういやその前は車の横でトンボが死んでた・・・

生きてるときも、寿命を迎えた時も野生は魅力的。やっぱり生き物はいい。その生き物たちがすむ森は大切にしなきゃ。


こんな写真ばかりだと後味悪いので最後に2枚。

とてもきれいな色をした虫。
夜にとったミズナラ(懐中電灯で照らしてます)






2011年9月24日土曜日

続・森の道

●秋山記念生命科学振興財団の助成を受けた、「森と里つなぎプロジェクト」の報告です。

陣内です。
9月は間伐作業でほとんど
更新ができなかったです・・

この現場、田邊さんの教えに
忠実にやろう、と思ったのですが、
水がどこでもわくのと、
ほとんど晴れ間がなかったのとで、
まったくはかどりませんでした。
でも、おかげで良い勉強になりました。

表土をとって路肩に積む、
芯土は地山も削って、
左右がおなじ強度になるように
シャッフルして踏み固める。

そうなんです。そうしたかったんです。
でも、こんな風に・・・


ど、どうしたらいい???
教え子一同、頭を抱えました。
なんたって、ひとすくい掘っただけで、
どんどん水がわいてくる。
泥を踏み固めても、泥遊びになるだけ。


しかも表土はほんとにとろとろになってしまう。
しかたないので、表土の下の黄色い粘土を
掘り出して、あいた穴に丸太をいかだ状に組み、
粘土で締め固める。

どんどん横から差してくる水は、
先に横断溝や側溝で排水。


やっと道らしくなってきた・・・


ユンボ、土と格闘の図。
パルプ材はだいぶ路盤材に埋めてしまいました・・
もったいないけど仕方ない。
深い土の中にある木材は、何十年も腐りません。
酸素が遮断されるから。



やっと搬出作業ができるように。
奥に見える林はだいたい伐倒が終わってます。
木の密度が濃いように見えますが、
イタヤカエデやハリギリがたくさん生えているから。
これを残すのに、清水くん、広葉樹を
ロープで引っ張って、カラマツの下敷きに
ならないように、えらい苦労してました。

ほんとにびっしり生えていると、
どこにも倒すところがない。。。。


できました!!森の道です!!
田邊さんの道ほどじゃなけど、いい固さ。


でも、雨が多くて仕上げきれなかったところは、
カラマツの梢の部分で、排水と機械の沈み込み防止を
かねて補強。晴れが続いて粘土が乾いたら、
手直し、仕上げ作業をします。
たぶん、来春。



大きな土場をつくれば椪積み(集積)
はラクなんだけど、
そうなるとたくさん木を伐って、
そこが明るくなって、草や笹が茂って管理が大変になる。

こんな風に、道のわきにちょっとずつ積んでも、
大型トラック1台分ためれば、
搬出はできる、ということが分かりました。

今回も苦労したけど、間伐後の山は
とってもきれいになったと思います。
もちろん、間伐後の立木への傷もなし。
残した広葉樹への傷もないように気を付けました。
山主さん、とっても喜んでくれました。

大型機械とはくらべものにならないけど、
「自然にはえた広葉樹を残して」という山主さんの
要望に応えるには、現状ではこの方法しかない。

こんな要望は、たまにあるのですが、
現状の林業の現場では、効率重視で
なかなか実現できません。
残した広葉樹とカラマツの管理をどうバランスするか、
難しいということもあります。
でも、道があって山主さんが関心を持って、
一緒に考えてくれる人がいれば、
可能性が出てきます。

手帳にきたなく書き込んだデータを集計して、
みんなに分かりやすいようにまとめねば・・・
いろいろ検討の余地があります。

間伐が終わったら、山主さんと残す木の
マーキングやササを刈って歩き道を
つけたり、いろいろとやることがあります。

10年後は広葉樹の間伐だなあ・・・

2011年9月8日木曜日

間伐現場

●秋山記念生命科学振興財団の助成を受けた、「森と里つなぎプロジェクト」の報告です。

陣内です。

9月から、東旭川町のKさんの山に、
間伐に入りました。

カラマツを手入れしてほしい、
自然に生えた広葉樹はできるだけ残してほしい、
大きな道はいらない、
散歩をしたり、薪をとったりしたい、
そんな要望でした。

40年たって大きくなったカラマツ、
樹高は25mちかい。こみあったところを
間伐するのに一番の障害は、広葉樹が
たくさんあって、倒す場所が限られること。

そして、まずは道づくり。
やっと、本格的な間伐だ!
と喜んでいたら、台風12号来襲。

ただでさえ水のわく現場なのに、
作りかけの道にものすごい雨が
降ってしまった。

この現場、ほとんど水の浸透しない
堅い粘土の上に、20cmくらい表土が
のっていて、これがスポンジのように
なって、水を含み、粘土との境目は
どこでも常に水がわく状態。

道をつくろうとユンボのバケットで掘ると、
掘ったはじから水たまりになっていく。
(晴れていても!)
土を水でこねるとどうなるか??
そうです、はてしなく泥沼になっていきます。

だから、水がない状態でしっかり締め固めたい。
でも、掘ればドロになる。どうする??
こういうとき、田邊由喜男さんならどうする?

結局、道の予定線の木を伐るだけにして、
まず地中の水をぬくためのカラマツ丸太を埋め、
それから柔らかい表土をとって、その下の粘土を出して
固めていく、というやりかたを選択。
写真は未完成、とりあえず通行できるようにして、
水だけは横に流すようにしています。


伐根やカラマツの曲がり材などは、
ふつうゴミになってしまうのですが、
埋めて路盤をかさあげするための
材料に使えばムダがない。
木は空気に触れなければ腐らない。


田邊由喜男さんに指導してもらった
やり方とはちょっと違う方法になりましたが、
どこでも水が出る、というのが手強いです。
まずは路盤が固くなったので、
あとは天気待ちです。

さてさて、この先天気はどうなることやら・・・