2011年6月29日水曜日

林業って難しい?

陣内です。

きょう、ある助成金の一次審査のプレゼンテーションに行ってきました。
そこであたえられた発表時間は5分間。
会場に向かう汽車の中、ずっとしゃべる練習してました。
本番では、一生懸命しゃべって、途中、息が切れてしまいました。
息を吐き出すだけで、吸い込むのを忘れていたようです。。。


提案した事業のテーマは、
今年から本格的に取り組みはじめた、
「森の道」づくりの技術確立と、
それを活かして森と里をつなぐ、
森のめぐみ(薪や山菜)や、
つながり(ツアーや体験)が里に循環する、
その仕組みを作り出す、そういう事業です。


5分間、なんとか終わった。。。。
でも、事業の説明だけで終わってしまった。

ほんとうは、その背景に、
地元の森の管理が、国・道・民に縦割りになっていてつながりがないとか、
木を伐りすぎて、ササ原から回復できない森林があったり、
民有林では、6~7年前までは、「誰も間伐材を買ってくれない」
リーマンショック前は、「どんどん木材を出そう」となってはげ山ができた、
山主さんは高齢化、次の世代は無関心、植えて40年放置の森もたくさん。
森の所有の境界線がよく分からないところもある、
森にどんな木がどのくらいあるのか正確に分からない、
林業現場も高齢化で、若手に技術が引き継がれない、
機械が建設機械ベースで林業専用でない、
現場作業の総合的な教育機関がない、

国産材が使われるようになってきたけど、
持続可能な森のマネジメント体制がないとか、
その根拠となる森林生態系・樹木の基礎研究が不足しているとか、
現場作業の生態配慮と木材生産性確保の両立など、
教育システムや基礎データがないとか
(ムズカシくてごめんなさい・・)
環境配慮のため、山主さんが木を切るのを規制したら、何らかの補償が必要?とか、
(賛否は議論が必要ですね・・・)
地元と森林を熟知する、森林マネジメントする人材育成が必要?とか、
欧米では、これらはほとんど税金で公的機関がやっているとか。。。

そんな、いろんな森林管理と林業の背景はあまり説明できませんでした。
日本の林業が、あまりにも問題山積すぎるのです・・
僕も熱くなりすぎたし・・。

やっぱり、森の体験や講座でも感じることですが、
森や林業の問題はホントに知られていない。

でも、がんばっていろんな活動をみなさんと広げて、
いつか、こんな問題がみんなに少しずつ知られるようになって、
「こうやったらうまくいったよ」というモデルも各地にできて、
「今の林業はね・・・」と、最初から説明しなくても
ある程度の人たちが分かっている状態を、作っていきたいです。
5年とか、10年かかりそうだなぁ・・・

そんなことを感じた一日でした。
審査が終わって道すがら、
「エビス」のスタウトをテイクアウトして飲みました。
うまかった~~
さあ~明日もがんばるぞ~~~~~~~


今日はグチっぽくなってしまいました。すみません。



2011年6月24日金曜日

道づくり研修のあと

陣内です。
久々の投稿です。

道づくり研修会が終わって2週間たちました。
講師の田邊由喜男さん、参加者の方々、
スタッフのみんな、いろんな人と話しました。
考えました。

昨年の研修よりも、数倍、いや数十倍、
学ぶこと、感じることがありました。

森の道の可能性を感じました。

僕らは、森の道づくりをすすめますが、
道が目的ではありません。
森が生き生きして、
そこに山主さんや、土地の人たち、都会の人たちが通い、
さまざまな森のめぐみを分けてもらうことで
みんなも生き生きして、そのときそこに道があった、
みたいな感じです。

イメージの中には、
美しく、生きものたちがあふれんばかりの
満ち満ちるパワーの森、
そしてそこを美しく、くぐり抜けていく、
「この先に何があるんだろう?行ってみたいな」と思わせる道、
森と人の、人と人の出会いのある道。
森と里をつなぐ、生きている道。

もしみんながマタギだったら、
別に道はいらないかも。
どこでも自由に歩いていく。
でも今は、土日にぴゅっと車で山に行き、
少しだけキノコをとり、ついでに薪をとり、
ついでについでに枝打ちなんかもして、帰ってくる。
僕だったら、ギターと小さな録音機材を持って行くかも。

やっぱり、森に行くには道がないと。
やっぱり、道はあったほうがいいな。
もちろん、「けものみち」もあるだろうし、
そこを歩くのも楽しいけど。

そんな風に考えています。
きっと田邊さんが伝えたかったことも、
そういうことなんじゃないかと思っています。
田邊さん、ほんとうにありがとうございました。

田邊さん、「旭川周辺には1万キロくらい道がいるよ」
ええええぇぇぇぇっっっっっそんなに?
そんなにいるのかなぁ・・・
そんなにあったらそこら中の森で毎日イベントだらけで
回りきれないなあ・・・ 
そんな心配は今からしなくていいんだけど。




・・・・・・・・
深い森に行って、ぽつんと座っていると、
だんだん森の一部になっていくような気がします。
昔、山で仕事をしていたときは、
たまにそんな時間を過ごすことがありました。
なんだか今は忙しいけど、そのときのことを今思い出しました。



2011年6月11日土曜日

森のめぐみ~荒屋さんモデル~

続けてしみずです!



最近友人の誕生日がありまして、素敵なプレゼントをしたいと考えてました。
もりねっとに勤めているからこそ、「素敵な木工品を!」と思っていろいろ考えました。

とにかくこだわっていたのが、旭川の材で出来たもの。そして仕上げは自然素材のもの。
「道産材」・・・でもよかったのですが、旭川にもたくさん木があるので「旭川材」で!
「ウレタン加工」・・・でもよかったのですが、木工品は手入れして何ぼ!と思っていたので、あえて手間のかかるやつにこだわってみました(笑)

もらった友達は困るだろうか?


と考えたらひとつしか思い浮かばなかった(笑)
もりねっとの運営委員で自給自足の生活を心がけている荒屋さんに、「ちょっとスプーンとフォークをつくっていただけませんか・・・」とお願いしたら快くOKがっ!
手先が器用で、木工品を作るのが趣味!山にはヤギや鶏を飼っていて、以前ヤギのミルクからつくった石鹸を買ったことがありました。


それがこれっ!
うっひょぉぉい!!かっこぃいいいぃ!
もう、スプーンを見ただけでよだれが・・・
というかこれ、僕がほしいんだけど!


スプーン、フォークともに、材は荒屋さんの山から伐ってきたナラ、クワ。
つくり方はナタである程度形をつくってから、ナイフなどを使って丹念に削り、やすりがけ。
仕上げはクルミ(荒屋山林で採取)と亜麻(荒屋畑で栽培)の油を混ぜてすりこんだようです。
材料全て、荒屋さんの山からの恵みです。

1本4時間ほどかかるようです。

うはぁ・・・。
上の写真はたくさん乗っているけど、実際に友人にプレゼントするのはこちらです。ナラのスプーンとフォーク、クワのスプーン。
手入れ用のクルミと亜麻もつけていただきました。
荒屋さんオリジナルの焼印も入っています。


もりねっとで考えた「森ペン」もそうだけど、ただ商品が机に置かれてるだけじゃ、その商品の本当の価値や、ストーリーというのがわかりません。
こうした木工品ができるまでのストーリーと木工品がセットで初めての商品になるんじゃないかなぁ!



7月9日のもりねっとの大企画「やまもりまつり」では、いろんな企画、木工品、ペーパンの食べ物など用意しています。
荒屋さんのこの商品も、おそらく・・・っといったところでしょうか。
新月伐採の材を使った「森の郵便局」シリーズの発売も考えています!




・・・・・・・やっぱりこれ、ぼくがほしい。
僕が喜んでもしょうがない!?
いや、これだけ素敵なものなら、もらった人なら誰だってうれしいよね!

実りのあった、道づくり研修会

しみずです!


●秋山記念生命科学振興財団の助成を受けた、「森と里つなぎプロジェクト」の報告です。


道づくり研修会、無事終了しました!!
田邊さん、参加者のみなさん、ありがとうございました!そしてお疲れ様でした!
奇跡的にも、この5日間の研修中は晴れが続き、野外研修日和になりました。



きっともって詳しいことは、陣内さん、石黒さんが書いてくれるんじゃないかと期待しつつも、簡単に(笑)


初日はオペレーター研修の参加者と顔合わせ。
旭川以外からも参加が多ったです。
田邊さんから今回の道づくりの方法などの説明がありましたが、とりあえず実際に作ったほうがイメージしやすいということでさっそく現場へ。



今回、田邊さんがポンヌプリで作る道の特徴は、測量はいらない、砂利や土の追加は必要ない、伐根や石は余すことなく使う(むしろあったほうが路面の強度につながるのでラッキー!)、表土を大事にする、土中や空中に道ができる(表現が難しい!)、土はユンボの前後を動かして調節する、縦断、横断勾配を土量を見ながら調節していく、水の流れはひろく、ゆるく、うすく流す、残したい木は残しても道ができる・・・などなどなどなどたくさんありました。道幅はユンボにあわせて3m。

写真は空中に道ができたところ。実は元の地面より2m以上高いところまで盛土をしています。

別アングル。こっちのほうがわかりやすいか!?



カーブをつける際にもいろんな技や、見方というのがありました。
実際に見ないと写真では表現できない。

・・・この調子で全部説明すると、ものっすごい長くなってしまうので、ここらへんで(笑)
というか、全部説明なんて出来ないよー。

とにかく感じたのが、線形(道のコースを描くこと)に関しては木を見るのはもちろんのこと、土量や傾斜も見ることが重要とわかった。
ユンボの使い方を見てみると、つめ先をよく使ったり、土を引っ張るだけじゃなく、前へ押すことも大事だったり、表土を置くときは「ふわっ」と置く丁寧さ、伐根を処理するときの無駄の無さなどが目立った。
とにかく、機械を大事に、山主を大事に、そして山も大事にした道づくりでした。



研修中は、参加者が交代でオペレーターとなり、道づくりを体験しました。
乗る人によって、掘る深さ、動作の速さ、作業中の音・・・などが全然違うもんだなぁと実感。
田邊さんの熱い指導が3日間つづきました。




座学のほうでは、牧さんがドイツ研修の様子を話てくれました。
ドイツの森、日本のトドの造林地みたいな林もあるそうですが、自然の状態で公園のように下草が少ない(背の低い植生が多い)そうです。
そこに生える木も太さ80cmで30m近くの木が普通にあるようです。

ドイツの林業機械、主にトラクターにつけるアタッチメントも多様な種類と性能がありました。
向こうは農家の方が空いた時間などに林業もやる農林家が多いようです。
・・・ちょこっと自分の山にはいって、太さ80cmの15mの全幹がでてくるなら楽しいだろうなぁ。


4日目と5日目は道づくり研修会ということで参加者も8名から30名近くに増えました。
やっぱりこの道づくりは5日間通して見ないとよくわかりません!
ぼくもうっすらと作り方がわかってきました。とくに線形に関しては、今まで以上に自身がつきました。

今度は僕たちで実践あるのみ!
ということで、一度「森の活用相談」でお伺いした美瑛のおもちゃ屋さんの森で、8月ごろになるのかな?一度道をつくってみることになりました!

線形はみんなでじっくり考えるとして、肝心のオペレーターがいない・・・!
やっぱり・・・滝上からお越しのAさんの力が必要なのでは(笑)

さぁ、僕が書くと非常にうすっぺらい内容に思えてしょうがない!
ものっすごいいい研修だったのに!
陣内さん、石黒さんフォロー頼みます(笑)


最後に記念撮影(5日目の研修会後)







2011年6月6日月曜日

いよいよ、明日から道つくり研修会

しみずです!

今日は晴れ/夕立でした。




さていよいよ道つくり研修会が始まります。
明日から9日までがオペレーター養成研修会、そして10日から11日は道づくり研修会が始まります!
この担当は、陣内さんと石黒さん!そして四万十式の提唱者、田邊由喜男さんをお呼びしました。
僕はぽけぇ~としてるだけ(おぃ!


明日から9日までのオペレーター研修は定員が達したため募集は締めさせていただきます。
また10日の道づくり研修会は、おそらくまだ空いているかと!詳しくはもりねっと(石黒)まで!



オペレーターの研修の場は、ポンヌプリで行います。
「四万十式を直輸入するのではなく、北海道版として改良していく余地がある・・・」ということですが、まずはその四万十式の道づくりの仕方を田邊さんの指導の下、研修していただきます。

僕が道づくりを始めて見たのが、昨年12月のもりねっとフォーラム。
やっぱりどんな道づくりでも、ユンボが森を走行するのを見るのは抵抗がありました。
しかし、作業が始まってみると「お!?」と思うことがいくつも。
幅はユンボのちょっと増しほどで、うねうねと(このうねうねが奥深い!縦断勾配や横断勾配の絶妙な組み合わせ!?)進んでいました。
また、必要最低限の伐倒ですむこともわかりました。
残したい木は残す!それでも道はできる!なんか良かったなぁ。
写真は去年のフォーラムから。

あえて、写真中央のシラカバを残してもらいました。
法面、勾配、伐根処理・・・いろいろと技がありました。
あの時は少しユンボが大きかったかも・・・。
完成したての道ですが、硬くしまり、やまびこもすぐ走行できるようです。
道ぎりぎりまで植生や木が残っているのが、なんとも不思議で素敵。

そして今回、道つけするのはポンヌプリの奥地にあるトドマツ林。あ・・・また写真が良くない・・・


じつは、4月にある程度のコースを想定してきました。等高線や沢、周りの様子などを加味してじっくり現地で考えてみました。
果たして、田邊さんと近い答えになるのか!?気になるところ。


というわけで紹介しましたが、実はオペレーターだけでなく、「的確なコース」を見抜ける眼と、オペレーターと息の合った伐倒手がいて、ようやく完成します。
つまり、オペレーターも、伐倒手もまずはコースを想定できないといけません。
ぼくはユンボの免許がないので、とりあえずはきちんとコースを決めれるようになりたいです。
田邊さんいわく「最終目的の場所から見るのがポイント」ということでした。山を見上げるのではなく、上から見下ろして見るようです。
が、しかし、見下ろしただけじゃさっぱりわからんこの現状。道つけ師にはまだまだほど遠い!



そしてもうひとつ・・・
今晩、いよいよ山本牧さんがドイツのフォレスター研修より帰国します。
今晩帰国、明日早朝研修会。
牧さん・・・大丈夫ですかっ!?

ドイツの話・・・楽しみだなぁ。フォレスターと道づくりに関して結構討論したようです。どんな話したのかなぁ・・・




とかいろいろ思いつつ・・・
台所でコウモリの頭骨標本を作っている清水でした。


2011年6月2日木曜日

突哨山―ハチ調査―

しみずです。


今日の午前中は、突哨山でセイヨウオオマルハナバチの調査と駆除でした。
「大雪と石狩の自然を守る会」が主催しています。
突哨山のみならず、いろんな場所で駆除活動をしています。

なんだか、突哨山で補虫網をもって歩く光景が珍しい。
でも、こんな素敵な森なんだから虫取りしたっていいよねぇ(指定管理者としてあるまじき発言だっ!?)
むかしは、「野原」がたくさんあって、虫取りも良くしたなぁ。という話を聞きながら登りました。
ぼくは虫取りっていったらアパートの前の駐車場でやってたなぁ。



セイヨウオオマルハナバチ・・・カタクリの時期によく見ることができたのですが、今年は寒い日が続いたためゴールデンウィーク中に1匹しか見ることができませんでした。

なにやら、1匹の女王がつくるコロニーは多くて100匹ほど。
つまり1匹の女王を捕獲すると、のちの100匹を捕獲したものになる!

 ハチを捕まえるには勇気が必要だと思っていたけど、このマルハナバチは結構おだやかな性格ですんなり網に入りました。捕獲したのはぼくじゃないけど。

 このおしりが白いのがセイヨウオオマルハナバチ。なにやら根室方面にいるノシャップマルハナバチ(だっけな?)とそっくりらしい。
ただ、旭川ではノシャップは確認されていないので、セイヨウと思って間違いなさそうです。

そしてこちらが在来種のエゾオオマルハナバチ。おしりが黄色いのが特徴。←写真が良くない!
なにやら北海道には11種(セイヨウ含む)のマルハナバチが確認されており、背中が赤茶色のやつもみつけました。

基本的にどの外来種の問題も、在来種とのなわばり争いや餌の取り合い、交配による雑種の誕生など、在来種に影響を与えてしまうことです。
エゾオオマルは争いを好まないようで、セイヨウにねぐらも餌もゆずってしまいがちだそうです。


今回捕獲できたセイヨウは1匹のみでした。もともと森にはあまり数はいないようです。庭をよく飛ぶとか。
長年の駆除の成果か、突哨山では年々見かける数が減っているそうです。


おまけに突哨山で見つけた植物+α。

遊歩道にびっしりと生えているマイヅルソウ。花が咲くときれいです。
これもよく見かけるクルマバソウ。花ってよくみたことなかったので新鮮。

いまでは珍しい?エゾタンポポです。周りのタンポポはほとんどがセイヨウタンポポですが、突哨山の遊歩道の一部に咲いています。昨年より、数が増えていました!どんどん増えろぉ!

そしてエゾハルゼミ。今日はすごい鳴いていました。

夏の突哨山、新緑の明るい森でセミが鳴き、じわりと汗をかきながらの森林浴。水筒と虫除けスプレーは忘れずに!
蚊やダニもあなたの入山を待っています(笑)



おまけのおまけ。
コウモリ写真家の中川さんの影響で、コウモリ撮影に気合が入っているこのごろ。しかし、あの高性能カメラや機材をそろえることができないので、キヤノンのkissX4でがんばってみることに。

バットディテクターで飛んでくる距離を想定しながらシャッターを押す。
20枚撮って3枚、飛翔するコウモリがうつってました!
出羽先生と、コウモリの構図・・・ぼくしか撮れない一枚になったんじゃないかな!?
画質やピントがあってないのが残念。次だな!