7月7日、今年最初の森薪塾には10名の方に参加いただきました。そのうち7名の方は初めての参加で、皆さんほぼチェンソーが初めてという方ばかりでした。参加の目的は自分で薪を作りたい方や森の手入れがしたい方など様々です。
まずはチェンソーの仕組みや各部の働きの説明を受けた後、持ち方や姿勢、エンジンの掛け方、そして意外に重要な停止のしかたを確認しました。なによりも安全を最優先にすぐにエンジンを止められるようにしなければなりません。
エンジンがかかったら実際に丸太を切ってみます。エンジンの回転数と刃を当てる力の入れ方を確認しながら切っていきます。今回の参加者のうち4名が女性でした。チェンソーのエンジンをかけるにはある程度の力が必要になります。エンジンスタートに手こずる方には、最新の充電式電動チェンソーが活躍しました。
何度か森薪塾に参加してもらった方々には直径30センチほどのマツを薪用に38センチの長さに玉切りしてもらいました。木が太くなるとチェンソーが挟まれて動かなくなることもあります。チェンソーの刃が進むにつれて木がどういう方向に動くのかを想定しながら、上から切ったり下から切ったり、時にはチェンソーを立てて前後方向に切っていくこともあります。
午後からは混み合ったトドマツ人工林に場所を移し、実際に木を伐り倒す作業をしました。まずは、この森はどういう経緯で現在の形になっているのか、将来どんな森にしたいのか、そのためには何をしなければならないのか、を考えながら森を観察します。この森の将来像を想像しながら残す(将来を託す)木を選び、その成長の妨げになっている木を伐り倒します。
一人ずつ、それぞれに木々を見上げながら、残す木と伐る木を選んでもらいました。
伐る木を選んだら実際にその木を倒してもらいます。その時に重要なのは、どの方向に倒すのか。間伐が遅れ混み合った森で、周囲の木に掛からないように倒すのはとても難しいです。倒れやすいスペースを見つけることと、狙った方向に正確に倒す技術が必要になります。時には倒す木の隣にある木を先に倒すことも考えます。
倒す木と方向が決まったらチェンソーで受け口を作ります。これで倒れる方向がほぼ決まってしまうので、修正もしながら慎重に作業を進めます。
やはり混んだ林ではどうしても掛かり木になってしまいますが、いろんな方法を駆使しながら、なんとか皆さん倒すことができました。木が倒れたあとに見上げると、ぽっかり空が見えます。倒した木のスペースが空き、太陽の光が周囲の木々や林床の草木に降りそそぎます。光エネルギーの配分調整~これが間伐の最大の目的なのです。
皆さん1本ずつ、中には3本も倒した方がいらっしゃいました。
以下、参加者の方の感想です。
・3回目で倒す方向が定まってきました。
・掛かり木になった時の対処方法が勉強になりました。
・実際に倒してみて、伐倒技術の理論がよく分かりました。
・初めて木を倒してびっくりしました。頭も体力も必要で、とても大変な作業でした。普段使っている薪を大事に使うようにしたいです。
・エンジン付きの刃物を使うことが怖かったが、理論どおりやればちゃんと切れることが分かりました。
・2回目の参加で、木をどこに倒したらいいのか等々、徐々にわかるようになってきました。
普段の生活ではなかなか接することのないチェンソーで木を伐り倒すという作業。
皆さま大変お疲れ様でした。
次回は9月8日(日)の開催を予定しています。テーマは「森を育てる間伐1」です。
初めての方でも年度の途中からでも参加することができます。興味のある方はぜひご連
絡ください。参加お待ちしております。
お問い合わせ連絡先は
電話0166―60−2420 メールmaki@morinet-h.org まで。