1年ほど前、突哨山の観察会のときに「休憩できる場所、座って観察できる場所が欲しいなぁ」と参加者からの声がありまして、それから協議会でアレコレ検討してきました。
いわゆる、突哨山に「ベンチ」をおくべきかどうか。
ベンチと聞くと森に同調しないイメージが強いので、「腰かけ」ということで考えました。
協議会では反対意見が多くでました。
「地面に座れるではないか。椅子は必要ない。」というワイルドな意見から、
「案内板は必要最低限としても、ベンチはどうか。一つ何かを作って置いてしまうと、あれも欲しい、これも欲しいと歯止めがきかなくなるのではないか」という慎重な意見や、「置くと仮定して、場所はどうするのか。何カ所にどれだけ置くのか」と、時間をかけて検討しました。
賛成する意見もありました。
「幅広い年齢層が訪れる突哨山、全員体力があるわけではない。椅子があれば汚れず休憩できる」といったもの。
簡単に結論はでませんでした。
●1年かかりましたが、「まずは置いてみて、市民の意見を聞いてみよう」ということになりました。
そして、昨日8月23日、どしゃ降りの中、作ってきました(なんもあそこまで降らんでも・・・)
①景観を損なわず、
②なるべく手間をかけず
③簡易的で実用的なもの。案内板を作った時と同じ考えです。
それにプラスして
④材は、風倒木や危険木処理したもので、近くにあるものを使う。
ということでやりました。
とにかく④番をクリアするのが辛かった。腰かけサイズの太めの材で倒れている木はあるにはあるんですが、置く場所から遠かったこと。
「重いし、雨だし、遠いし運びたくないよぉ~」と一通り、嘆き、悲しんだ後、「仕方ない」で割り切りました。
置いた場所は3ヵ所あります。腰かけの大きさは、大人2人が座って余裕がでる程度です。
①ガイドマップ5番のトドマツ人工林。材が近くてラッキーでした。
2年前(だったかな?)に間伐した材です。
ヤニはつかないと思いますが、座る前に手で触って確認してくださいね。
②稜線分岐。谷渡りルートとカタクリルートがぶつかる尾根側の分岐。
ここより50mほど下がった谷渡りルート上に、太いシラカバが遊歩道をまたぐように倒れていました(これも2年前ほど)。このカバ材は重くて、運ぶのが大変だった・・・。
僕の好みで、枝分かれしている部分を使いました。
チェンソーを置いてある場所が又になっていた部分です。
③最後は、木漏れ日分岐。
ここはミズナラが多く、安定した(風倒木が少ない)林になっています。
南折り返しの近くで、倒れたヤナギがありましたが、「運ぶには遠すぎる!」と判断しました。
しかし、よく見てみると、腰かけに適したサイズ・・・。
倒れたヤナギから声が聞こえました。
「俺を使え!これ以上進んでも倒れている木はないぞ!」と・・・。
そうしてできたのが↓の写真です。
ここだけ、腰かけの長さは他より短い仕様となっています。
という感じで、試験的ではありますが置いてみました。
作ってみて、失敗したのは「高さ」です。子どもならちょうどいいけど、大人は若干低く感じるかもしれません。
それと、早速「腰かけの魔力」に襲われました。
座って森を見る・・・これってとっても妄想力が働きますね(笑)
「ここを草刈りして小道を作って、そこにはあずま屋があって・・・あずま屋にはガイドさんがいて休憩しにきた人たちと交流して・・・あっ、ツリーハウスもあって高い所から森がみれたり・・・」
なんだろう。開拓心が湧いてくる。
「あぁ、突哨山が自分の森だったら・・・」
石黒さんと2人で、しばらく妄想していました。
ということで、「こんなもん置きやがって!」という前に、是非座ってみてください。
ご意見、ご感想は「記帳ノート」に書いていただくと助かります。
とりあえずは、1年ほど様子を見て、皆さんからの意見を聞いてみたいと思います。
宜しくお願いします。