2019年8月5日月曜日

2019年7月31日 突哨山ボランティア 「突哨山を外来種から守ろう!」


 最近、突哨山の内部にもちらほらと外来植物が目に付くようになっていましたが、今年は特にフランスギクの真っ白い花が遊歩道の脇であちこちに咲いていました。
3年に1度行う林床植物調査の際、「フランスギクが奥まで入っているので、抜き取り作業をしたほうがいい」と提案がありました。ちょうど、突哨山の手入れ活動を幅広い方々と一緒にやろうという「突哨山ボンティア」の活動を考えていたときで、その活動第1号として急遽参加者を募ることになりました。
今回の除去作業は7月31日(木)に行いました。多くの方に参加しやすいよう土日に開催したかったのですが、外来植物の種ができる前に除去したほうがいいということで、平日開催となりました。それでも突哨山運営協議会の方々や、長年突哨山でオオハンゴンソウ抜き取りをボランティアで行っている岡本さんのグループに参加していただき、総勢12名となりました。

今回の除去対象はオオハンゴンソウ、オオアワダチソウ、フランスギク、ヒメジョオンです。外来種は影響度や定着度などから国や道でいくつかのカテゴリー分けがされています。対象4種のカテゴリーを以下に紹介します。

オオハンゴンソウ
国指定の特定外来種
(ブルーリストA2)


オオアワダチソウ
国の要注意外来種
(ブルーリストA2

フランスギク
道条例の指定外来種
(ブルーリストA2
ヒメジョオン
(ブルーリストA3)


外来生物法による指定
特定外来種:特に問題の大きな外来種を国が特定外来生物として指定し、 運搬や飼養等を規制するとともに防除を推進することとしている。 
要注意外来種:外来生物法による法規制ではないが、国が生態系に悪影響を及ぼしうる外来種を選定し、個人や事業者等に対し、適切な取扱いを呼びかけている。
北海道ブルーリスト(北海道の外来種リスト)による区分
A1:緊急に防除対策が必要な外来種。
A2:本道の生態系等へ大きな影響を及ぼしており、防除対策の必要性について検討する外来種。
  A3:本道に定着しており、生態系等への影響が報告または懸念されている外来種。
北海道生物多様性保全条例による指定外来種
   道外から持ち込まれ道内の生物多様性に著しく影響を与える、あるいはそのおそれがあるもの。

どれも市街地や農村部で大量に群生しているのを見かけます。これだけ大量にあると在来の生態系どころか、農村の景観も変わってしまっています。
突哨山でも山裾や農地・道路と接する場所で外来植物が目立ちます。幸い、遊歩道沿いは登山口付近を除き大群落は出現していませんが、山奥でも歩道沿いに点在しています。
作業はカタクリルート、扇の沢ルート、ぴぴの路の3班に分かれ、遊歩道を歩きながら根ごと引き抜いたり、刈り取って袋詰めしたり、地道な作業を黙々とこなしていきます。この日の旭川の最高気温は28.8度。平均湿度は81%。朝降った雨でかなり蒸し暑く、少し動いただけで汗がダラダラと流れます。セミの声を聞き、アブやブヨを手で払いながらの作業でした。
除去作業をしながら観察すると、分岐点によく小群落があり、入山者にくっついてタネが運ばれてきていると考えられます。また、日当たりのいい場所、ササの勢力が弱い旧放牧地などにもオオハンゴンソウが入り込んでいました。フランスギクは裸地を好むと見えて、樹木が倒れ、土が露出した場所に群がって咲いています。
 そう考えると、突哨山の植生はまだ健全なのかも知れません。入口付近の大群落からタネが常に運ばれているのに、在来の植物群が懸命に防戦して、侵入を最小限に抑えている感じがします。これまでのボランティア防除の効果もあるのでしょう。
とはいえ、手を緩めると黄や白の外来種だらけになってしまう恐れがあります。1つの花につき、200から500粒の種を飛ばし、残った根からも再生します。外来生物に罪Kはないのですが、本来の生態系を守るための活動はまだまだ続きます。





 今回は多くの方にご協力をいただき、午前中で作業を終えることができました。参加していただいたみなさん、お疲れさまでした。
 しかし、外来種の除去はそう簡単ではありません。突哨山でもいくつかのグループがオオハンゴンソウやセイヨウオオマルハナバチの除去作業を長年続けておられます。
突哨山だけではなく、世界中の様々な地域でたくさんの方々が外来種問題に取り組んでいます。それだけ外来種は在来の生態系へ大きな影響を及ぼしているのです。
普段、何気なく見ている花にも様々なストーリーや大きな問題を抱えているんですね。

以下のホームページに外来種の様々な情報が掲載されているので、ぜひご覧ください。
○日本の外来種対策(環境省)
○北海道ブルーリストデータベース2010(北海道)

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