2011年4月9日土曜日

春の特大号!―突哨山編―



清水です!



あっというまに春到来!?旭川らしい冬って今年はなかったような気がします・・・
ともあれ、日に日に暖かくなってきましたね!ぼくの頭のねじもだんだん緩んできました。陣内さんに締めなおしてもらわないと!
こんな日はずっとハンモックで寝てたぁぁぁい!


今日は、突哨山のことをまとめて報告します!写真と動画ですごいボリュームになりました。暇なときにでもゆっくりご覧くださいませ~!



★最初は、突哨山のトドマツ林の間伐作業について・・・
4月5日と7日に陣内さん、山本さん、荒屋さん、僕のいつもの突哨山作業メンバーで行ってきました。

●4月5日のカタクリ広場口の様子。スノーモービル集材の最終日でした。一部土が露出していましたが、目をつぶって走行・・・モービルが痛々しい・・・

●じつは、すでにカタクリ広場ではフキノトウがぁっ!!カタクリもつぼみがぁ!今年のカタクリは早いなぁ!



●少し登るとまだモービルが走行できる雪がありました。


●伐る本数も当初は少な目(200本くらい)と考えていたのですが、作業してみると効率が悪い!
というのも、お隣さん同士、自分の枝を目いっぱい伸ばしていて、間の一本を伐っても天井には空間ができにくく、間伐効果も低いし、なにより伐倒時にひっかかって余計に手間がかかってしまいます。
そこで、下の写真のように伐る本数を増やしてみました。(間伐率でいうと4割から5割くらい!)

●いっつも午前中は気合い十分でやるんです!夕日がでてくると、気力と握力がすっからかんに・・・
もっと考えて体力使えよ!って自分にいい聞かせてるんですが、森に入ると自重できないんです(笑)
突哨山の魔力かな・・・
一本倒して、引っかかって、ロープでゆさぶっておろして、枝払いして、5mに採材して、残りの枝は片付けて・・・これは技術的にも精神的にも鍛えられます!
●ちょっと疲れると、写真撮影。写真とりながら選木もします。・・・・ま、まだこんなに残ってる!

そして、この日の作業が終了!二人がモービルで下山。残った二人は歩いて下山。
一見モービルで降りたほうが楽そうにみえますがっ!!!
実は、モービルの後部席に座る人は大変です(笑)
運転手の頭で前が見えない上、曲がるたびに体を横に出して加重移動。もう生まれたての小鹿みたいに足がガクガクしている中、加重移動は非常につらい!!持てるだけ荷物も積んでいるので、後ろもみなくちゃいけません。
運転もけっこう体力つかうんですよねぇ。
それでも5分でカタクリ広場に到着しちゃうのは魅力的!
乗る前に後部座先の譲り合いがあったのは内緒(笑)


★間伐作業2日目!

●おお~!カタクリちゃん!もうそこまで顔だしていいのかい!?


●もう、スノーモービルで走行することができなくなりました!今年は雪が少なかったからなぁ。
そこで、登場したのが「やまびこ」。もりねっとの頼れる相棒です。突哨山のような細い遊歩道はやまびこ本来の力が発揮できます。
残念なのは、移動の際にキャタピラ痕が遊歩道についてしまいました。それでも極力土がえぐれないように配慮しました。曲がる際にゆっくり、じわじわと曲がるように運転すると、それほど土はえぐれません。

●前回の間伐で、おおかた遊歩道側は終わったので、今回はちょっと奥まった林内で作業しました。林内ではちょっとした発見がありました。

●シカの角研ぎの跡でしょうか。それもま新しい感じがする!



●今年もいい音期待してるよ!!それにしても状態がいいなぁ。天然の標本だ!
●トドマツからのサイン!?ずいぶんと低いところから枝を出そうとしています。上を見てみると、両側の木が、この木の空を奪っていました。上がだめなら、下から伸ばす。木の戦略なんでしょうが、見ててせつなくなりました。



●この日、遊歩道から目につく枝を集めて、奥へ移動しました。それでもちょびっと見えちゃうんだけど。
すごい枝の量で、枝の山ができました。

●というわけで、無事に間伐作業が終わりました!
5割近く伐った感じがします。トドマツ林に光が戻りました。
間伐場所と遊歩道を挟んだ無間伐場所を比較してみましょう!ごくごく一部だけ紹介します。残りは、突哨山に来てみてほしいです!


まずは間伐後の並木様子。

そして、無間伐の並木の様子。

●間伐後の空

●無間伐の空・・・写真でみると微妙な違いですが、林床(地面)に届く光は圧倒的に違います。

写真じゃ驚くほど違いがわからないですが、実際に見てみると容易に比較ができると思います。ぜひ、実際に見てみてください!

さぁ帰ろう!!

今回の突哨山間伐は、「間伐することはいいことだ」ということを伝えるために行ったわけではありません。針葉樹と広葉樹がまざった林にするためなのですが、この間伐効果がもたらす結果を、突哨山を歩いた人たちに見てもらい、私たちでこれからの突哨山をどうしていくか考える判断材料にしていく、という意味合いもあります。なので多くの人たちに見てもらいたいし、僕らからも紹介していきます。
間伐現場をみて、良い!と感じる人もいれば、寂しい!と感じる人もいます。

決して答えがひとつではない「山の管理」について・・・みなさんと協議して、蛇行運転しながらでも、ゆっくりと前へ進みながら「身近な自然」を残していけるように頑張っていきます。

●最後に、現在カタクリ広場とその周辺には、モービル、やまびこ、そしてトドマツ材130本が置かれています。景観上そぐわないかもしれませんが、ご了承ください。もちろん最終的には片付けます。


★突哨山のカタクリ
間伐の話でも少し話しましたが、今年は雪がすくなかったため、雪解けも早く、カタクリをはじめとする春植物たちの目覚めが早くなりそうです。今年もカタクリ速報を行います。それは「突哨山のホームページ」でご覧ください!
以下の写真は4月9日に撮ったものです。

●突哨山口の様子
突哨山口からこもれびの路(みち)付近まではこのような状態でした。水が流れていたり、泥がはねるので長靴があれば最適ですが、トレッキングシューズでも無理なく歩けます。




●突哨山口から200mほど上ると、遊歩道の両側では、つぼみがたくさん!今日はレフで撮りました。
作業中はタフなデジカメで撮影しているのでどうしても画質が悪いのです。


●この5cmほどの小さい突起物がカタクリです。突哨山はこの密度(場所によってはこれ以上の密度)でカタクリ、エゾエンゴサクが咲きます。
ん?カタクリに間伐は必要じゃないのかって?そんなこと考えたことなかったよ・・・。
これだけ密生してても、自分のスペースがきちんと確保されていて、お互いに邪魔にならないように生えていたような気がします。今年、意識してみてみます。

●写真中央に見える緑色の植物はナニワズです。この植物の生態も面白いですよー!今年は5月のゴールデンウィーク中にはガイド(花案内人)が常駐していますので聞いてみてください(笑)

●お次は「カタクリ広場口」から登ってすぐの林の様子です。カタクリ広場口は、突哨山の北側にあり、いつもは突哨山口よりも雪解けが遅くなるのですが、そんな感じはしません。

●葉っぱが開いている!このカタクリは何年生かな?カタクリは7年近くかかってようやく花が咲く植物です。花が咲くまで、いろんな姿を見せてくれます。カタクリの1年生はつまようじのようなもやしのような・・・


●つぼみにピンク色がついています。突哨山口も、カタクリ広場口もだいたい同じような状態でした。

●おまけ
間伐で紹介したフキノトウ。その後は立派になってましたー!!なんか嬉しいな!
★カタクリフォーラム
今年のカタクリフォーラムは5月1日!!10時からだいたい15時まで開催しております。
主催はカタクリ楽団です。簡単に紹介すると春の突哨山を楽しむ会です。販売あり、食事あり、ガイドあり、自由に突哨山を味わうイベントです。
今年も地元農産物の販売、野歩きやります!
さらに今年はもりねっとから「森の郵便局」という木工品販売や、シラカバコースター作り体験なども開催します。
野歩きでは、「ぴぴの路コース」と「カタクリルート」の2本を予定しています。

■ぴぴの路は、突哨山協議会が案内します。往復3.5㎞ほどの長距離コースです。
比布町側から突哨山へ入山できる初めての比布町の遊歩道です。むかし、遠足で比布町側から突哨山への遊歩道がありました。それから、遊歩道は放置されたためか、使われなくなってしまいました。その遠足で通った道の完全復刻盤というわけではありませんが、比布町の協議会メンバーの方々と一緒に現地調査した結果、民有地を避けて突哨山の北分岐までいけるルートを確定することができました。そのお披露目会も兼ねてます!

■カタクリルートはもりねっとが案内します。往復2kmほどの短距離コ―スです。
突哨山の歴史と関係しているシラカバ林、「森の境界線」の紹介をします。そして、今回間伐したてのトドマツ林までを紹介したいと思います。
間伐後の林内へ入れるかどうかは、状況次第ですが、そこまでは歩きますので!

肝心の野歩きの時間は10時からと12時からの2回あります。いずれも同時刻出発ですので、両方のコースに参加するには2回歩かないといけません。ちょっと大変かもしれません!
しかし、僕もぴぴの路あるきたいなぁ(笑)



★カタクリを見たあとは・・・
最後になりました。
突哨山でカタクリを見た後、せっかくだからどこかないかな?という方へ。
ほんとにごく近辺で、僕がわかる範囲なのですが、紹介します。

●男山自然公園
突哨山の中にあり、最南端部に位置する男山自然公園があります。この写真は入口です。
普段はゲートが締まっており入ることはできませんが、カタクリの開花時期に合わせてゲートが開きます。開催時期など詳しいことは男山自然公園のホームページをご覧ください。
男山が管理している自然公園となっており、駐車場の付近では「男山のお酒」が販売されています。去年は(も?)カタクリの絵が描かれた日本酒があったような気がします。つい買っちゃうんだよなぁ。

ここの最大の特徴は、「手入れをしたカタクリ畑」です。突哨山ではササがごっそりある中カタクリが咲いているというような光景がみられますが、ここの公園ではササ刈を行っているため、ずらっと一面、見通し良く見ることができます。まさに圧巻!ぜひ突哨山の遊歩道と見比べてみてください。それぞれ面白みがあります!
こちらも遊歩道があるので、1時間あれば、一周できると思います。

●ドライブイン路傍(ろぼう)
・・・腹減ったぁ!という人はぜひここへ!
ドライブイン路傍です。創業50年近くになる古き良き食堂です。
昔は店の隣が国道40号線で、「旧比布トンネル」が通っていました。そのトンネルも残っています。
現在は比布トンネルはこの下に新しくできたため、路傍で行き止まりとなっています。路傍と男山自然公園は道路でつながっていますのですぐわかると思います。

旭川ラーメンを制覇しようとしている方。ここを忘れちゃいけません。
独特の甘みのあるスープがここの特徴です。味覚は人それぞれなので、味の良しあしについては書きません。僕はすっかり路傍の味のとりこです(笑)
初めての方は醤油ラーメンをおすすめします。丼、麺、ジンギスカン・・・など幅広い品があります。
価格も標準的です。

●異世界へ繋がる洞窟!?
男山自然公園の崖っぷちを見ることができます。
ほんとにこれが突哨山の最南端。石灰岩でできているそうな。ちょっとここの歴史や、石についてはわからないので、僕が知ってることのみを紹介します。

ここの崖を示しているのかは定かではないですが、アイヌの人たちでは「悪い穴」、「別世界へつながる穴」という伝えがあるそうです。


良く見るとこうした、岩と岩の間に穴があいています。

異世界へ通じる場所かどうかは調査したことありませんが、実はこの穴がコウモリの昼のねぐらになっていることはわかっています。
北海道のコウモリの大半は森の中(樹洞など)をねぐらとしていますが、そのことはよく知られていません。
なんたってコウモリといえば洞窟!洞窟といえばコウモリ!ですからね!
その洞窟を棲みかとする「キクガシラコウモリ」、「コキクガシラコウモリ」を見ることができます。
・・・見るといっても、まじまじと見るのは不可能で、「なんか隙間から出てきた!」程度の観察になります。

キクガシラコウモリの写真です。ほかのコウモリと違って、特徴のある顔をしています。
鼻が花の菊ににていることから「菊頭蝙蝠」と名付けられたそうですが・・・名付けた人はどこをどうみて菊がでてきたのだろうか・・・ってこれは失礼ですね。すいません・・・。豚鼻蝙蝠のほうが良かったんじゃないかなぁ?(笑)
でもじつは「ブタバナ」とつくコウモリは存在していて、キティブタバナコウモリは世界最小の哺乳類と言われています。
話がそれた!

ここの崖を見る際には車に気を付けてください。崖のすぐ前が道路になっているので、車が通ります。また絶対に崖のそばまでいかないでくださいね!ガードレールでいけないようになっていますが、乗り越えていかないでください。事故のこともありますが、このコウモリのねぐらでもあります。

崖の写真は突哨橋で車を止めて撮影しました。場所は最後に地図で紹介します。



カタクリの時期にこのコウモリを見ることはまず難しいと思われますが、夏(7月、8月)の日没後30分~1時間ほどを目安にして崖を見てみると、飛び出してくるかもしれません。
さらに欲を言えば「バットディテクター:コウモリの超音波を人の耳に聞こえるようにする機械」があれば、キクガシラコウモリ特有の「宇宙人声」が聞けます。
・・・「ピポポッピポポポポポポ」みたいな感じ(笑)

ここでもコウモリ観察会をしてみたいと思っているのですが、駐車場や場所の悪さなどもあり、なかなか難しいです。

というわけで4年前・・・まだ僕が学生だったころの調査中に録音した、キグラシラコウモリの超音波を紹介します。
コウモリは状況で、いろんな鳴き方をします。宇宙人声はよく飛んでいる時に出しています。
今回紹介するのは、捕獲後、巾着袋にいれられて、それに向けてバットディテクターを使用しているので違った音に聞こえます。
スズムシのようなエゾアカガエルのような・・・コウモリとは思えない音です。




では場所紹介の地図を掲載します。
この図はガイドマップ2011年版からです。
ガイドマップは突哨山の入口にある「入山記帳台」の中にあります。
2011年版で、いろいろと更新しました。
前回、手に取った方も、もう一度ご覧くださいませー!


それでは!春の特大号でした!
突哨山編ですが、おそらく違う編はありません(笑)



最後の最後に・・・
カタクリ広場から見る夕日。
沈むまでずっと見とれてました。

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